学校から帰ってきたら、ソファーでダラダラ。なんとか机に向かわせても、ふと見るとスマホをポチポチ。そんな子どもの姿にため息をつく親御さんは、まずご家庭の環境を一度見直してみてはいかがでしょうか。ご家庭に「勉強しよう!」とやる気がわいてくるような環境は、十分に整っていますか?
 

緊張感の無さがやる気を奪う!

 
喫茶店で勉強をしている学生さんを見たことはありませんか?
「喫茶店で勉強なんて……」と不思議に思う方もたくさんいらっしゃるでしょうが、彼らは喫茶店で得られるあるモノを求めて、わざわざコーヒー代を払って勉強しに通い続けているのです。
喫茶店で得られるものとは、勉強をする際の「緊張感」です。
見ず知らずの人が入れ替わり立ち替わり訪れる喫茶店は、ちょうど良い緊張感を得られる空間なのです。常に人の視線を意識できる喫茶店では自然と背筋が伸び、勉強への集中力も家よりはるかに増すというわけです。
 
この「勉強頑張ろう!」という気にさせるほど良い緊張感、ご家庭にはありますか?おそらくほとんどのご家庭には無いはずです。なぜならば、家というものは家族がゆっくりとくつろぐための空間であり、本来は緊張感のないリラックスした空間であることが理想となっているからです。
 
そんな緊張感のない家庭内という空間にも、ちょっとした工夫で緊張感を生み出すことが可能です。例えば、お母さん自身がただじっと子どもの横に座り続ける。これだけでも、リラックスした空間に緊張感を生み出すことは可能となります。
 
ただし、人というのは慣れる生き物です。毎日毎日同じ人が横に座り続けていると、いずれ緊張感が薄れます。ですから、できれば他の家族とローテーションを組むことが理想的です。子どもにずっとついていることが難しいという方は、家庭教師にお願いするのも良いでしょう。
 

ダラダラしている家族がやる気を奪う!

 
「子どもが全然勉強しない」とぼやいている親御さんは、子どもに勉強をしなさいと言って子どもを机に向かわせた後、自分たちは何をしていらっしゃいますか?
 
ソファに寝転がってテレビを見たり、ラグマットの上でゴロゴロしながらスマホをポチポチしている親御さんがほとんどなのではないでしょうか。子どもに勉強しなさいと言っていながら、親御さん自身がダラダラと過ごしているような状況は珍しくないでしょう。
 
子どもは、公平さにとても敏感です。少しでも不公平だと感じると、その不公平さが解消されるまでは動かないような強い精神力を持っています。昼間頑張っているのは、親御さんだけではありません。学校で何時間も授業を受け、部活に励んでいる子どもたちも同じです。
それなのに、親御さんだけが家ではダラダラ過ごすのは不公平だと感じてしまう子どもは少なくないでしょう。子どもは言葉には出しませんが、その不公平さを敏感に感じ取り、勉強をしないという形で親御さんに訴えかけているのです。
 
ですから、親御さんは子どもに勉強をさせたいのであれば、自分も勉強してみてください。
勉強と言っても、子どもと同じ勉強をするということではありません。好きな本や新聞を読んでもいいのです。家計簿をつけるなどの家事でもいいし、明日の仕事の準備でもいいのです。親御さんのそのような姿を見れば子どもの不公平感が解消され、子どもの勉強へのやる気も自然とわいてくるでしょう。
 

勉強は必要ないという考えがやる気を奪う!

 
子どもたちの中には「勉強なんて必要ない」と言い、勉強を放棄してしまうような子どももいます。そんな彼らに勉強をさせたいと思っている親御さんは、さぞ苦労なさっていることでしょう。
 
しかし、彼らに勉強は必要ないと思わせたのは誰なのでしょうか。子どもは信頼している大人の言葉に良くも悪くも左右されがちです。子どもが一番信頼を寄せている親御さんの言葉が、彼らの勉強へのやる気をそぎ落としているような場合もあるでしょう。
 
子どもは大人の言動の端々に見えるその考え方を敏感に感じ取っているものです。特に、生まれたときから世話をしてくれている親御さんの心の内は、驚くほど見透かすことができます。
 
まずは親御さん自身が、勉強は生きていく上で本当に大切なものだと普段から考えるようになってください。そして、子どもに勉強をしなかったことで社会に出て困った経験をたくさん話してあげてください。
自分たちの失敗を打ち明けることは恥ずかしいことですが、それを打ち明ける親御さんの勇気を子どもは真摯に受け止めてくれます。恥ずかしいことも包み隠さず話してくれた親御さんの真剣さに、子どもも襟を正します。
 
親御さんの考えは、家庭の環境を左右します。親御さんが勉強はとても大切だと考えるようになれば、少しずつ家の中も勉強に適した環境になっていくのです。
 

まとめ

 
~子どもに勉強をさせたいならば、まずは自分たちの姿勢から~
 
子どもが勉強にやる気を出すか出さないかは、親御さんが作り出す家庭環境に大きく左右されると言っても過言ではありません。ぜひ、以上3つのことを意識しながら、お子さんの勉強へのやる気がわいてくるような環境を整えてみてくださいね。